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『配当』や『株主優待』目的で株式投資を行ってはいけない理由|本末転倒

株式投資を「配当利回り」や「株主優待」目的で行ってはいけない理由|本末転倒

株式投資を行う目的のうち、最も大きなものとは一体何でしょうか。

それは言うまでもなく、”値上がり益”を狙う事、つまり”キャピタルゲイン”を獲りにいくというものです。

しかし中には、銘柄選定において「配当利回り」ばかりを気にする人や、場合によっては「株主優待」の善し悪しによって銘柄を判断するという人さえいます。

そのような「配当」や「優待」を第一目的とした株式投資、私は基本的には反対です。

今回はその理由についてお話してみたいと思います。

株式投資で「配当」や「株主優待」を目的とすべきでない理由

株式投資を「配当利回り」や「株主優待」目的で行ってはいけない理由|本末転倒

私が「配当」や「株主優待」を株式投資の主目的としてはならないと考える理由は、大きく3つあります。

それぞれ解説していきましょう。

<理由1>配当が未来永劫続くと思うなかれ

まず第一に、その配当がずっと続くという保証はどこにもない、ということです。

あなたが特定の株式を購入した直後にその企業が配当を取りやめてしまう、つまり「配当目当てで購入した株式から、一銭の配当も得られぬまま保有し続ける事になる」というような事態は、いつ起こっても全く不思議ではありません。

企業には、経営判断として”配当政策”というものがあります。

これは、その事業年度に事業活動を行った結果として利益がいくら残り、さらにその中からいくらを配当として株主の皆さんに還元すべきかということを判断するというもの(「配当性向」と言う)ですが、この判断は実は非常に流動的です。(業績が赤字の場合には、当然”無配”、もしくはそれまで積み立てて来た”分配可能利益”の中から配当を行うかどうかを判断します。)

企業の置かれた事業環境というのは、内的・外的さまざまな要因によって大きく揺さぶられることも十分に考えられるものですし、それによって業績も変動し、さらには持続可能性を追求する(潰れてしまわないように努力する)という企業の最も根底にある条件に照らせば、配当よりも自身(その企業自身)の成長投資へと資金を振り向けるべきタイミングというのも当然ながら存在します。

また、株の買い占め等により、新たな大株主が誕生した場合などにおいては、配当政策を変更するような要求を出して来られたり(この場合は増配となる場合も多いですが)、経営陣が変わることで経営方針が変わり、より配当以外のことへと資金が回されるようになったり、と将来的に配当の状況が変化する可能性というのはいくらでも考えられます。

したがって、配当を主目的として株式投資を行うということは、何の保証もないリターンを期待してその銘柄を購入するという事とイコールなのです

そしてこのことは「株主優待」においても同じことが言えます。

株主優待に関しても、経営判断によって急に途絶えるということがあり得るということです。

このように、”この先本当にあるかどうかもわからないもの”を長期的に期待し、そこに資金を投じるという姿勢こそが、”リスク・リターンをコントロールできていない”状態になってしまいますので、私はそのような状態での投資には反対である、というわけです。

株式投資というのは、本質的にはその企業の業績拡大、事業の成長を見越し、”応援”の意味も込めてその持ち分を少し保有するというものです。

その基本原理に照らしても、やはり私は配当や優待を積極的に追求するという投資方針というのは、賛成しかねます。

株式投資を行うというのなら、あくまで”値上がり益”、”キャピタルゲイン”を追求するという姿勢で取り組まれることを前提に考えていくようにしてください。

<理由2>投資元本の毀損リスクとのバランスを考慮すべき

さらにもう一つ、元本リスクとのバランスをしっかりと考えているのか、という点を問題提起したいと思います。

いまあなたが20万円の株式を購入し(1つの銘柄)、その株式に5%の配当利回りがあったと仮定します。(税引き前)

すると、あなたはその配当性向が継続する限りにおいては、毎年約1万円の配当金を手にすることになるわけですが、その1年間の間、株価自体は一体どのくらい変動しているでしょうか。

5%の範囲内で変動しているという銘柄自体が少ないであろう上に、株価が買付単価よりも上昇しているのならば良いものの、下落していたとしたらどうでしょう。

5%の配当を期待していた株式で、1万円の配当金を受け取りながら、元本は買付時の20万円から15万円になってしまっている、というような状況はいくらでも起こり得るわけです。

長期保有における配当の捉え方については後述しますが、こと短期売買目的での株式保有に際しては、配当うんぬんよりも、株価変動による元本リスクの方がはるかに大きなものになるということはすぐにご理解いただけるかと思います。

このように、「配当利回りが高いから。」と購入した株で、配当金以上の損失を抱え続け、数年保有しては見たものの、一向に株価が上向く兆しもなく、結果売却損を確定する羽目になる、そんな笑えない冗談の様な状況に陥る初心者の方は意外と多いのです。(もちろんその間も配当が出続けていればそれを手にすることはできます。)

したがって、配当ばかりに目が行ってしまい、株価としての成長性や上昇期待をないがしろにしてしまう様な”本末転倒”状態には絶対に陥ってしまわないように気をつけていただきたいということです。

あらためて詳しく言及することはしませんが、これも株主優待についても同様です。

特に優待などは、その経済的価値で言えば本当に微々たるものにしかならにという場合も多々あります。(その優待で受け取れる品等を金額換算にすると本当に少額にしかならない、という意味です。)

したがって、そういった買い方をしている方には、しっかりとキャピタルゲインを狙いに行って得られた利益で、その優待分に相当するものを必要であれば別途購入すれば良いのでは、と思うのです。

<理由3>優待の中身を精査せよ

今「理由2」の最後に少し触れた内容と重複する部分にもなりますが、配当と株主優待のうち、特に「優待」に関しては、それを期待して株を購入するというのは全くのナンセンスだと言わざるを得ないと考えています。

配当の場合であれば、その配当金を実際に手に入れられたとすれば、それはいわば”現金”以外の何物でもなく、自由に使う事ができる”お金”ということになるわけですが、優待として受け取れるものというのは、その企業の関連製品やグッズ、その他サービス券や割引券などが主なものとなります。

つまり、一部金券ショップ等で換金が可能なものを優待として出している企業以外に関しては、その優待で受け取った特典が、経済的価値(=金額換算)でどのくらいのものですか、ということを問いたいわけです。

企業としては、非常に大きな還元率となってしまうような優待を提供できるわけもありませんし、自社製品等とは言っても、実際にはそれほど価値のないものであることも多々あります。

そんな、金額換算で言えば”たいしたことのない額”を「もらえると嬉しいから。」と主目的に据え、その企業の株式を保有するというのは、経済合理性からしてみても、明らかに賢明な判断とは言えません。

先程の配当の話とも重複しますが、金銭的価値で微々たるものにしかならない優待を期待するあまり、投資元本部分が大幅に毀損して(大きな損をして)しまっているような状況では、それこそ本末転倒も甚だしい結果ということができるでしょう。

それならば、企業を業績拡大や外的環境による株価上昇期待の面からしっかりと精査をし、その”値上がり益”を狙った上で買付けを行うか、もしくは確実に利息収入が得られる債券等に投資をし、そのリターンで該当の優待を”購入”すれば良いのです。

つまり結論として、「”株主優待”というのは、投資判断を左右するような要素ではない」ということをしっかりと頭に入れておいていただきたいのです。

<例外>『配当』目的で買付しても良い場合

株式投資を「配当利回り」や「株主優待」目的で行ってはいけない理由|本末転倒

以上、配当や優待に関して、それを主目的とすべきでないと考える理由について述べてきましたが、続いては、それらを理解していただいた上で、一部”仕方がない”、あるいは”意味がある”と捉える事もできる、配当や優待を目的とした株式投資について検討していきます。

配当政策そのものを評価し長期目線で買付ける場合

まずは、対象となる企業の「配当政策”そのもの”」、あるいは「株主還元策”自体”」に共感をし、そのリターンを得る目的で買付するという場合です。

これはもはや値上がり益というものを度外視し、超長期目線に立ってその企業の配当政策を信じ、「いつまでも保有し続けるから、その配当政策、配当性向を維持し続けてね。」という気持ちで投資するという考え方です。

その企業の理念や経営思想の中に、配当や自社株買いなどの株主還元策について並々ならぬこだわりがあり、”上場来増配維持”や、”積極的な自社株買い”などを行っているという姿勢を鑑み、そこを期待してその企業の株を買い付けるということになれば、それは投資方針の1つとしてその人の価値観を反映したものということになりますので、これは外野から否定されるべきものでもないということになってきます。

つまり、「特定の企業の配当政策や株主還元策そのものを評価している。」という場合には、配当目的でその企業の株式を買い付けるということも選択肢の一つとして考え得るということです。

キャピタルゲインの延長線上で考える場合

続いて、これも非常に長期での投資戦略を前提とした考え方とはなりますが、配当をキャピタルゲインの一部として捉えるという場合です。これも配当狙いで株式を購入するということを肯定できる要素の一つになるでしょう。

つまり、配当というのは言うまでもなくそもそもは「キャピタルゲイン」ではなく、「インカムゲイン」そのものであるわけですが、このインカムゲインも積もり積もれば「キャピタル”ロス”」を補ってくれる意味合いが出て来るということです。

具体的に考えてみましょう。

いま、20万円の株式を購入し、配当利回りが5%あったとします。

この場合、受取配当金額としては、20万円×5%×(1-0.2)=8,000円 (税引き後の概算手取り額)ということになります。

もしもこの企業が、同額の配当政策を継続したとして、毎年8,000円の配当金をあなたが手にできたとするならば、これが超長期ともなると相当な金額になるわけです。

仮に、あなたが当初投資した20万円を何年で回収することができるのかと考えたとすると、20万円÷8,000円=25年 となります。

つまり、あなたがこの株を25年保有し続け、そしてこの会社が同じ額の配当を出し続ければ、元々投資した元本を丸々回収することができてしまうわけです。

ただし、この方法は一般には経済合理性で考えると賢明な判断とは言えないものになります。

それは何故かというと、福利効果を最大限に活かし切れていないからです。福利効果について詳しくは「【複利効果】計算式でシミュレーション|本当の意味とは『72の法則』」

ただしここでも改めて注意が必要なのは、冒頭の「配当を目当てにして株式を購入してはならない理由」としてもお話したように、その配当が長期にわたって絶対に支払われるという保証はどこにもないということです。

そうした配当ストップのリスクも勘案した上で、値動きとのバランスにおいて判断していかなければなりません。

<例外>『株主優待』目的で買付しても良い場合

株式投資を「配当利回り」や「株主優待」目的で行ってはいけない理由|本末転倒

次に「株主優待」についても、それを目的で買付ける事がやむを得ない状況について検討してみましょう。

優待でしか手に入らないその会社の製品やサービス券等がある

ごく一部の銘柄、企業においては、株主優待でしか配布していない非売品が手に入るという特典が用意されている場合があります。

優待として招待されるイベントであったり、自社製品のフィギュアなど、要はお金を出しても買えない、世に出回っていない類のものを手に入れるためにその企業の株式を購入する。そうした理由で、優待目的での投資を行うというのは、否定されるものではありません。

これはむしろ株式投資やリターンについての考え方という観点ではなく、その製品やサービス自体を手に入れるための”権利”を購入しているという捉え方もできるものになりますので、何も問題はないでしょう。

生活必需品等の頻繁に使う製品やサービスが優待として受け取れて、その価値が非常に高い

次に、その優待による特典が、生活に密着した製品等であった場合に、それによって経済的メリットが非常に大きいという場合です。

日用品を扱う企業や飲食店などの優待で、実際にそれを使用することでかなり大きな割引や生活費が浮く効果が期待できる場合などについては、それが優待目的であったとしても、理にかなった投資という事ができる場合があります。

優待の中には、「自社サービス利用時に50%割引」といったものを提供している企業もありますので、それが非常に高級な飲食店であった場合や、高額な出費が伴うサービス等であった場合には、その50%相当分が数万円といった価値を持つこともあるわけです。

そういった意味では、やはりこれも金銭的価値に換算すると非常に大きなメリットがあると判断できる場合もあるかと思いますので、その額に応じて判断すべき部分も出て来るかとは思います。

テレビでも有名な”配当で生きている投資家”さんのように(どこまでが現実でどこからが演出なのかは計り知れませんが。)、飲食からレジャー消費に至るまで、生活のほとんどの部分を優待で済ますという人もいる(本当かどうかはわかりません。)ぐらいですので、そういった意味では”ちりも積もれば”で、生活費のほとんどがそれで浮いてしまうといった場合には、配当目的での株式保有も非常に大きな意味を持ってくると言えるでしょう。

【結論】やっぱり株式投資は「キャピタルゲイン」に主眼を

株式投資を「配当利回り」や「株主優待」目的で行ってはいけない理由|本末転倒

最後に結論として、やはり株式投資を行うにあたっては、その企業の事業面での成長、業績拡大をしっかりと見極めた上で、さらには相場全体のモメンタムやマクロ経済情勢等も勘案した上で、あくまで”値上がり益”=”キャピタルゲイン”を追求すべきであるという点を強調しておきたいと思います。

”投資”という観点からすると、この「期待リターン」というものを計算する上において、相場および業績動向から割り出した現在価値が割安かどうかという点で判断するというのが最も一般的ということになるわけですが、その一方で、株式を保有するという行為そのものの価値観という意味においては、それがその企業を”応援する”という気持ちの表れである場合があることも否定はできません。

つまり、「その企業の製品を心から愛している。」、「その企業の製品やサービスの大ファン。」、「その企業の理念に共感し、是非とも応援したい。」そんな気持ちからその企業の株式を購入し、株主になる、ということもあってしかるべきということです。

こうした”価値観”というのは、第三者が評価する云々というような代物ではありませんし、口をはさむ判断基準などもそもそも存在しないものですので、誰にも否定はできないわけです。

今回は、あくまで”投資判断”として「配当」や「優待」というものをどのように捉えるべきかという側面からお話をしてきましたが、そうした”熱い想い”があるという方に関しては、投資判断とは別に、その企業の株式を保有してみるということも一つの手となり得ると言えるでしょう。

まとめ

さて、今回は株式投資における「配当」および「株主優待」の捉え方という観点からお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。

株についてまだほとんど知識を持ち併せていないという方は、少しピンと来ない部分もあったかもしれませんが、今は「へえ、そういう考え方もあるんだ。」ぐらいに捉えておいてもらえたらと思います。

今回の内容はあくまでマネージャーの私見ではあるのですが、一部「経済合理性」といった判断基準を用いたとしても”正しい”と言える部分もありますので、そのあたりが混同してしまわないようにこれからも様々なことを学んでいただくと同時に、しっかりとその意味を理解した上で、正しい投資判断を下していける力をつけていって頂きたいと思います。

その企業の株式を購入する、保有するという行為が、あなたにとって”投資目的”なのか”応援目的”なのか、そんな「目的意識の違い」によっても結論はまた異なってくるということですので、配当や優待に心が揺らいだ時には、是非今回の記事も参考にしていただきつつ自分なりの結論を導き出してもらえれば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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