『資産運用』という言葉を聞いた時、あなたはどのようなイメージを頭に思い浮かべますか?
多くの人が、「株式」や「投資信託」などの金融商品に投資することを思い浮かべ、それと同時に「損をしてしまうのではないか。」という「”リスク” に対する不安」が頭をよぎってしまうのではないかと思います。
これから資産運用を始めていこうかと考えている ”投資初心者”、金融・経済について勉強したこともないという ”金融の素人” を自認する人が、
- 「運用に失敗して、大きな損を抱えてしまったりしたらどうしよう。」
- 「金融や経済に関することなんて全然解らない私でもできるものなの?」
- 「投資なんて本当にうまくいくの?」
- 「騙されてしまったりしないかな。」
そんな ”負のイメージ” ばかりを膨らませてしまうというのも、無理もありません。
ただ、実際には、それまで金融の世界に縁もゆかりもなかったような人たちが、一念発起して『資産運用』に取り組んでいこうとする時に、そこまでリスクの面ばかりを気にしてしまう必要もありませんし、難解な知識を身に着けていかなければならないと変に身構えてしまう必要もありません。
確かに、金融のプロフェッショナルと呼ばれるような人たちは、数学や金融工学などの高度な理論等を駆使した様々な投資手法を用いて運用を行っているわけですが、その一方で、一般の人が、自分たちの資産を ”増やすため”、あるいは ”守るため” に考えておくべきことというのは、これとは全くの別物なのです。
では、われわれ一般の投資家、資産運用を志す者の場合には、どのような点に気をつけて資産運用を行っていけば良いのでしょうか。
それにはまず、『資産運用』や『証券投資』というものについて、目標への階段を着実に一歩ずつ登っていくかのように、”おさえておくべき重要なポイント” をしっかりと押さえつつ、足を踏み外してしまわないよう気をつけながら進んでいくということが非常に重要なポイントとなってきます。
基本的な知識やノウハウが何も積み上がっていない状態で、「とりあえず始めてみなきゃ解らないし。」とか、「これは儲かりそう。」といった感覚を頼りに進めていっても、自分の資産を不必要に目減りさせてしまうだけです。
したがって具体的には、金融のプロでない人たちが、資産運用を行っていく上で意識しておかなければならないポイントというのは、
- 最低限の正しい知識をしっかりと身に付けておく
- リスクについて正確に把握する
- 『(資産運用の) 目的』と『自分の目指す方向性』を意識する
このようなものになります。
こうしたポイントをしっかりと押さえた上で資産運用を行っていくことさえできていれば、あなたも想定外の大きな損失を抱えてしまうような事態は避けられます。
そこで今回は、この『資産運用』というものについて、”超初心者向け” として、それが一体どういうものなのか、その ”本当の意味” や ”正しい捉え方”、さらに「初心者が始めるにはどのように進めていけば間違いがないのか」といったポイントについてまとめていきたいと思います。
これを読めば、資産運用というものに対する漠然とした恐怖心を取っ払い、しっかりとした理解のもとで、正しい道を進んでいくためのスタートラインに立つ事ができるようになりますので、是非最後までご覧いただければと思います。
それではさっそくいってみましょう!
資産運用とは
資産運用を始めたいと考えるきっかけというのは、人それぞれ、置かれた状況や人生の捉え方などによって様々なケースがあるかと思います。
でもその一方で、そう考え始めた人たちが総じて到達したいと思い描くその先の終着点、成し遂げたい「目標」は何なのかと言われれば、それはズバリ、
『お金』を少しでも増やしたい
そこに尽きるのではないかと思います。
非常にシンプルですが、結局はそれが全てと言ってしまって良いでしょう。
「(今ある) お金を守りたい」という想いの方が強いという方は、こちらをご覧ください。
『資産運用の【心得】』成功者のみぞ知る原理原則|初心者こそ早く気付くべき大前提とは
『資産運用』をうまく行っていくためにはどのようなことを心掛け、何に注意しておく必要があるのでしょうか。 すでに資産運用で成果を出し続けられている成功者がどのような手法を用い、どういったことを考えながら ...
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日本という国に生まれ (または育ち)、一部の国や地域のように、(治安の悪さやテロなどの脅威からの) ”身の安全” や ”明日の食料” に対する不安に怯えることなく、当たり前に安全・安心に暮らすことができる世界に生きていて、より豊かな生活、お金に困らない、好きなものを手に入れられる世界を夢見る感覚というのは、誰しもが少なからず抱いているものでしょう。
ここ最近でこそ、価値観の多様化に伴い、”ミニマリスト” や倹約の大切さを意識したライフスタイルというものも支持される傾向にあるものの、こと「お金」というものに対しては、多かれ少なかれ「あるにこしたことはない。」と考えるのが、最も自然で率直な感覚ではないかと思います。
ただ、そのように「たくさんお金が欲しい。」「お金を増やしたい。」と考える人が非常に多い一方で、そのうちのほとんどの人が、具体的な『方法』や、その大前提となる『知識』が抜け落ちてしまっているというのもまた事実です。
そしてさらに、冒頭でも触れたように、頭の中にある「リスクに対する恐怖心」ばかりが先行してしまうことで、ずっと資産運用に手が出せずに来てしまっているという人も多いのではないかと思います。
では、お金を増やすための『資産運用』というものは、一体どのようなものなのでしょうか。
本当にそんなに危険性が高く、身ぐるみを剥がされてしまうような危なっかしいものなのでしょうか。
その正体とは。その正しい捉え方とは。
その問いへの答えはこうです。
今、あなたが自分のいる会社に自分の身体や能力、時間を提供して仕事をし、その対価としてお金という報酬を得ているのと同じように、あなたのお金をある場所へ連れて行くことで、そのお金に働いてもらい、その対価としての報酬を得る仕組みをつくり上げていく、それが『資産運用』というものなのです。
それ以上でも、それ以下でもありません。
難しく考えすぎてしまう必要もなければ、不要な心配ばかりを募らせてしまう必要もないのです。
お金を稼ぐ方法
「お金を稼ぐ方法」には、自分が何かしらの犠牲を払って提供するもの(能力や時間) の対価として得られる報酬と、お金そのものを働かせた結果として得られるリターンという2つのものが存在します。
お金の稼ぎ方
- 自分が何かの犠牲を払う代償として得られる報酬
- お金そのものを働かせて得られるリターン
「たくさんお金を稼ぐためには、身を粉にして働く意外に方法はないでしょ。」
そう思い込んでいたという人は、まずこの点をしっかりと頭に叩き込んでおくようにしてください。
フランスのトマ・ピケティという経済学者が、「労働対価である『労務所得』は、資本・資産が生む『投資資産による利益』を超えられない」という理論を提唱していますが、このことを簡単に言い換えるとするならば、
お金を増やすには、働いて稼ぐよりも、
お金自体を働かせた方が有利ですよ
という意味になります。(ここでは理解しやすいよう、かなりざっくりと表現しています。詳しく知りたい方は、下記参照。)
つまり、資産運用を始めていくにあたってまずはじめに土台となる発想、それがこの「『資産運用』とは、お金を働かせることである。」という考え方なのです。
さらに、そこで併せて気がついておいて欲しいこと、それが「資本が大きいほうがより有利である」という点です。
鋭い方であればすでにお気付きかもしれませんが、”お金を働かせる” のであれば、少しでも多くの「(もとになる) お金」があった方が、そこから得られるリターンも大きくなるのではないか、という発想が大切になってくるわけです。(”資本” とは、資産運用の元手となる原資のこと。)
この発想こそが、一見非常にシンプルな考え方に思える部分ではあるものの、資産運用の世界においてその本質・根幹を成す部分であり、最も重要な土台となる考え方です。
具体的に考えてみましょう。
例えば、今あなたが 1万円 の原資を拠出し、1% (年率) で運用することで、年間 100円 のリターンを得るよりも、100万円を拠出して 1万円のリターン、1億円で 100万円のリターンを得る方が、より効率的だということはすぐに理解できるかと思います。
そしてこの当たり前の事実が示す意味、それが
”お金持ち” は、よりお金持ちになっていく
ということです。
これは冷静に考えればすぐに解ります。
リスクとリターンの関係性から、基本的には、より大きなリターンを得るためには、より大きなリスクを負う必要が出てくるわけですが、もしも今最も小さなリスクで得られるリターンが 1%だとするならば、10億円の原資がある人は、それだけで 1,000万円/年というリターンを得ることができることになります。(ここでは話を単純化するために、税金その他要素は考慮しないものとします)
そしてこの 10億円から毎年 1,000万円を得られる人が、そのリターンの部分だけで生活を営んでいるとするならば、原資の 10億円が減る可能性は限りなくゼロになります。
つまり、資本(運用の元手となる原資のこと) が大きくなればなるほど、その資本を減らしてしまう可能性を最小限に抑えることができる、すなわち、大きなリスクを負わずして大きなリターンを得ることができてしまうのです。
さらに言えば、リターン 1,000万円のうち 500万円だけを使って生活をし、残りの 500万円をさらに投資へと回していくというサイクルをつくってしまえば、原資を減らさずに済むどころか、その原資の部分、つまり資産という土台自体を増やしていくことすら可能となるわけです。
このように、資産運用から得られたリターンをさらに投資へと回し、原資を膨らませながらリターンも大きくしていくというサイクルのことを ”複利効果” と呼びますが、「お金を働かせる」ということの重要性についてこれで実感していただけたのではないかと思います。
これがこれから『資産運用』を始めていくにあたって、最初に発想を転換しておかなければならないポイントです。
では次に、そのような仕組みをつくることを目指すには、どのようにして資産運用を始めていけば良いのか、具体的な ”始め方” についてお話していくことにしましょう。
資産運用の始め方
『資産運用』を始めていこうとそのスタートラインに立った時、あなたが最もはじめに意識しておくべきこと、それは既にご紹介したように、
- 最低限の正しい知識をしっかりと身に付けておく
- リスクについて正確に把握する
- 『(資産運用の) 目的』と『自分の目指す方向性』を意識する
こういったポイントです。
つまり、まずは勉強が必要ということになってきます。(※勉強嫌いという人も、もう少しだけお付き合いください。ためになる部分が出てくるはずです。)
世の中には、投資教育に有益な「書籍」や「投資セミナー」といった類のものが多く存在することは確かです。でも、当然のことながら、その全てを鵜呑みにしてしまってはいけません。
まずは、そうした情報の良し悪しを判断できる ”嗅覚” を磨いていく必要があるのです。
- 「ああ、これはもっともらしい話だけど、なんか胡散臭いな。」
- 「これは本当に有益な情報だ。」
そういったことがある程度判断できるようになるまで、基本的な知識を頭に入れていく必要があるわけです。
安心してください。その方法は簡単です。
当サイトの記事を、気になる所からで構いませんので、隅々まで目を通してみてください。
「手っ取り早くまとまった形で勉強・把握したい。」というのであれば、こういったものも用意していますので、参考にしていただけたらと思います。
note
または、「そもそもこのサイトが胡散臭い。」と感じられたなら、現時点であなたが信用できそうな人が書いた書籍等から当たってみられると良いでしょう。
とにかく今のあなたが「この辺りから勉強してみようか。」とか、「この人の言っていることは信用できそうだな。」と思える書籍やセミナーを探してみる所から始めてみてください。そして、その先でふとこのサイトへ戻ってきてもらえると幸いです。
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ローンは負債|出費を見直して原資をつくる
ここで、実際の「『資産運用』の始め方」において大切になってくる、「 ”原資” のつくり方」という部分について少し触れておきたいと思います。
これはくどくどと説明する必要もないことで、結論は至極明快です。
資産運用のための最初の原資は、
「働いて稼ぐ」
ということです。
前述のように、お金を稼ぐためには、自分の何かを犠牲にした対価として報酬を受け取るか、お金自身に働いてもらってリターンを得られる仕組みをつくっていくかしかありません。
そうなると、莫大な財産を相続したり、宝くじに高額当選したり、何か大きな資産を売却したりしない限りは、働いて稼いでくるしかなく、それが現実です。
そこで見直すべきものが「出費」、ひいてはお金の使い方という考え方の変革です。
日々出ていくお金をしっかりと管理し、最小限にすることで、資産運用の原資へと回せるお金を積み上げていく努力をすることはもちろんのこと、そもそも ”当たり前” だと考えがちな出費にも、落とし穴はないかとその価値観を疑ってかかる必要があるのです。
そしてその最たる例が、『ローン』というものです。
このローンというのは、言うまでもありませんが、『負債』です。
しかも、ローンを組まなければならないほどの大きな買い物なわけですから、それはもはや『”非常に大きな” 負債』です。
ここで改めてではありますが、「ローンを組む (=分割払いする)」ということは、「借金をする」ということと全く同じ意味であるということを再認識してください。
多くの人は、毎月の可処分所得(ざっくり言うと「手取りの給料」のこと) だけに注目し、その範囲内ですぐにちょっとした贅沢や高額な買い物のローンの支払いを始めてしまいます。
ローンを組んで出費をする、「車」や「家」を買うという行動に、何の疑問や違和感も持たないのです。
少し難しい話にはなってしまいますが、ローンが肯定され得るのは、その時の時勢における金利水準に着目し、お金の時間的価値の観点から、手元にあるまとまった資本を別の分野へと振り向けられるよう、手元資金を残したままで他人資本を利用するという考え方に基づく使い方ができている時だけです。
この話は少し高度な内容を含みますので、ここでは一旦置いておくとして、今大なり小なりローンを抱えているという人は、まずは大きな買い物をする前に、お金というものの性質、資産を増やすということの本当の意味を今一度考え直してみてください。
この記事を何度も読み返す、あるいは当サイトのヒントとなる記事を読んでもらえれば、気づくことができるはずです。
必要に応じて、『資産運用』や『お金に関する基礎知識』について重要なポイントをまとめた『note』も活用してみてもらえたらと思います。
『note』
また、経済番組等に出ているような人の中から、自分が「この人の解説は解り易い。」とか「この人の話は信用できそう。」と感じられる人の書籍などを参考にする、などなど、とにかく『資産運用』というものの 「基本の”キ”」の部分について、しっかりと学ぶという姿勢を持つようにしてください。
それを続けているうちに、どこかで必ず「ポイントが掴めてきた。」「本当に重要な部分の輪郭が徐々に浮かび上がってきた。」「見極められる力がついた。」と感じられる瞬間が訪れますので、金融や経済が苦手だという人も、是非そこまで頑張ってみてください。
後々に大きな後悔をしてしまわないためには、この初期の段階が非常に重要で、ここが一番の踏ん張り所です。そして、その勉強の間は同時並行で出費を見直し、原資の積み上げに精を出すのです。
全てはそこから始まります。
絶対に運用に失敗しない唯一の方法
最後に一つ注意点として、あなたが「投資を始めたい。」「本格的に資産運用を学びたい。」という意思を持った時、その前のめりな姿勢に乗っかろうとする業者が、世の中にはたくさん存在するというお話をしておきたいと思います。
つまり、一見すると「稼いでやろう。」「儲けよう。」「資産を増やしてやろう。」というあなたの欲望を満たしてくれそうな、おいしそうな話というのが世の中にはたくさんあるということです。
この記事をここまで読んでいただいた方であれば、「世の中そんなにうまい話はない」ということについては ”百も承知” という感覚を持っているのではないかと思いますが、あなたを甘い言葉で勧誘する向こうもプロです。様々なうまい言い回しや、もっともらしい資料等で囁いてくるかもしれません。
そうした関わるべきでない連中をどのようにして見極めていくのかという眼力を養い、どうすれば深い傷を負うことなく、着実に歩みを進めていくことができるのか、知りたいという方は、
こういった記事にも目を通しつつ、何度も基本に立ち返り、しっかりと基本を押さえられているかという点を常にセルフチェックして欲しいと思います。
自分が知らないうちに損をしない、大きな失敗をしてしまわない唯一の方法、それは、
軽々に運用を開始してしまわない
ということです。
あくまで資産運用を開始するのは、自分が最低限、資産運用に関する情報の信憑性をある程度見極められるようになってからと認識しておいてください。
最近では、銀行窓口でも幅広い金融商品を取り扱っていたり、「SMA」あるいは「ラップ口座」と呼ばれるような商品設計のものも一般的になりつつありますが、最後に決断を下していくのは、あくまであなた自身ですし、最後に責任を負うのも、あなた自身です。
『投資は自己責任』。そのことだけは、常に頭に入れておかなければなりません。
これまで散々、「怖がりすぎるな。」「ポイントを押さえておけば大丈夫。」と言っておきながら、最後に突き放したような言い方にはなってしまいますが、これもまた資産運用の世界の現実でもありますので、今の段階で注意喚起をしておきたいと思います。
これからあなたが最初に投資していく、実際に何かしらの金融商品を購入するという際には、非常に緊張するかとは思いますが、その時にはしっかりとリスクを把握・管理し、最悪の事態をも想定して出口戦略をあらかじめ練っておくことで、少なくとも「”想定外” の大きな損失」を生んでしまう可能性を極小化することはできるようになります。
そうしてどんどんと経験を重ねていくと、そこで見える景色というのもかなり変化していくことになりますので、まずはしっかりと勉強し、是非とも資産運用を成功させてもらいたいと思います。
資産運用を開始することは、いつだって可能です。
基本事項を頭に入れ、不安要素を全て想定の範囲内に収められるという自信が出てきた所で、最初の商品を購入してみられると良いでしょう。
もちろんその時には、当サイトの様々な情報を参考にしていただけると幸いですし、あなたの資産運用を陰で支える、そばに寄り添う【マネージャー】として、いつまでもそばに置いておいていただけたら光栄です。
まとめ
以上、今回は、資産運用の入り口に立った時、知っておいて欲しいポイントということでまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか。
冒頭でもお話したように、『資産運用』、『株式投資』などと聞くと、初心者の多くは、「借金まみれで悲惨な目に遭うことになる。」「最後には取り返しのつかないような大きな損失を被ってしまう。」というような、非常にネガティブなイメージが先行してしまいます。
今回は「初級編」ということで、具体的な運用方法等のさらに前段階にある ”考え方” といった部分を中心にお話してきたわけですが、ネガティブなイメージを少しは払拭することができたでしょうか。
おぼろげにでも、資産運用というものを行っていく上で大切なことが認識でき、「”漠然とした” 恐怖心」を和らげることに繋げられていれば幸いです。
ここから先は、今回ご紹介したような資産運用を成功させるために本質的に外してはならない部分、それをしっかりと意識しながら歩みを進めていき、是非資産をどんどんと大きくしていってもらいたいと思います。
マネージャーも陰ながら応援しています。