世の中にごまんとある『金融商品』。
投資の ”玄人” や ”プロ” 向けに作られた複雑な設計・仕組みの商品から、主に一般投資家を対象にした少額で始められるような商品にいたるまで、実に様々な種類のものが存在しています。
そんな金融商品について、投資初心者が全てを把握しようと思っても、それは無理な話、現実問題として不可能です。と言うよりも、そもそも一般投資家がその全てを知っている必要など全くありません。
「どの程度のリターンを追求していくか。」、また「どのような目標を目指して運用を行っていきたいのか。」によって、知っておくべき範囲というのは大きく異なってくることにはなりますが、自分の資産をうまく運用したいと考える、いわゆる ”一般の投資家” が、その運用をうまく回していくために知っておくべき金融の知識・商品の知識などというものには、それほど難解な内容も含まれていなければ、非常に多くのことを覚えておかなければならないというようなこともないのです。
資産運用において本当に大切なことは、投資における基本的な ”原理原則” や ”大前提”、”一番やってはいけないことはどういったことなのか” ということをしっかりと頭に入れておくということです。
”大きな失敗を犯さない”、”不用意に損失を膨らませてしまわない” ためには、やはりある程度抑えておくべきポイントというものが存在するということも併せて知っておかなければなりません。
当サイトでは、以下のような記事で、そうした投資初心者が資産運用をうまく行っていくために知っておくべきポイントについてもまとめてありますが、
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今回はその中でもより実践に近い内容となる、運用開始へ向けた入り口に立った時にまずぶち当たることになる高い壁、
「で、結局私は何を買えば良いの?」
という疑問を解消すべく、投資初心者が知っておくべき金融商品の知識ということについてお話していきたいと思います。
改めて言うまでもないことではありますが、金融商品群について少し理解が進んだからと言って、それが「今の自分が持つべき金融商品を的確に選別できる力」を身に付けたという事とイコールかと言われれば、それとこれとは話が別、全くもって意味が異なるものであるということは知っておかなければなりません。
ただ、そうは言っても、基礎的な金融商品の知識を持ち合わせていなければ、何も実際のアクションを起こすことはできませんので、まずは「どの金融商品には、どのような特性があるのか」、そして「どの金融商品は、どんな目的で保有するのが正しい考え方なのか」ということをしっかりと理解するという所から始めていくことにしましょう。
これまで「銀行預金」だけ、もしくは少しばかり「保険」に加入している程度という金融知識しか持ち合わせていない投資初心者が、プロがしのぎを削る変化の激しい運用・投資の世界において、的確な判断をもとにその荒波をくぐり抜けていくなどということは、不可能に等しいことです。
したがって、まずは ”足場を固める” という意味でも、上記のいくつかの投資初心者さん向け記事も参考にしていただきつつ、今回お話する ”商品関連の知識” についても、より理解を深めていっていただけたらと思います。
今回の記事を参考に、まずは運用の対象となる金融商品の全体像を把握し、それに対して自分の「投資方針」や「期待リターン」との擦り合わせを行うことで、資産運用の第一歩を”正しく”踏み出していけるようにしていきたいと思いますので、是非最後までお付き合いください。
それでは始めていきましょう。
『金融商品』の”種類”とそれぞれの”特性”
「資産運用を始めよう。」となった時、まず最初に頭に思い浮かぶ金融商品はといえば「株」、という方が圧倒的に多いのではないかと思います。
最近では「投資信託」を筆頭に、銀行や郵便局=ゆうちょ銀行の窓口で取り扱われる商品群が増えてきたりと、そのすそ野が広がって来てはいる一方で、実際には、その商品設計や特徴、リスクの大きさからメリット・デメリットに至るまで、各金融商品について的確に判断ができるだけの知識をしっかりと持ち併せているという人が、果たしてどれぐらいいるでしょうか。
購入経験があるという人の中でさえ、正確に理解ができている人はほとんどいないというのが実情ではないかと思われます。
したがって、ここではまず初めに、「株」や「投資信託」といったものを含む、いわゆる「金融商品」と言われるものにはどのような種類があるのかということについて整理していきたいと思います。
投資・運用の対象となる金融商品と呼ばれるものには、大きく分けて次の6種類あると考えておきましょう。
- 株式
- 債券
- 投資信託
- 為替取引
- 保険
- 預金
各商品には、そのカテゴリーの中でもさらにその”派生商品”と言われるものが存在していたりもしますが、今はまだそこまで知っている必要はありません。
ここから各商品の特性について解説していきたいと思いますが、それぞれの中身について検討する際には、「その商品がどのようなものなのか知る」という単純な見方ではなく、あくまで「自分にはどの商品が最適だろうか。」、「各商品はどういった運用目的で選択すべきものなのか。」といった視点でも捉えていく事が大切です。
現段階で全ての金融商品について把握するということは難しいかとは思いますが、各商品の特性解説から、「自分にはまずはコレが良さそうだ。」という”目星をつける”ような感覚で見ていってもらえれば良いかと思います。
それでは、それぞれ詳しく見ていくことにしましょう。
株式
まずは「株式」です。
一般に「株 (カブ)」と呼ばれることがほとんどですが、正式には「株式 (カブシキ)」と言います。
これは、”資産運用”や”証券投資”と聞いた時に多くの人がまず初めに思い浮かべるであろうもので、代表的な金融商品という位置づけなりますが、一体どういった特徴があるのでしょうか。
”株式投資”と聞くと、何か大そう難しい事をしている様なイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、実際には証券会社に口座を開設し、欲しい株を買えるだけの資金を用意することさえできれば、買付を行う事自体は誰にでも可能です。
株式には、「株式市場」という取引所に”上場”されている「上場株式」と、上場されていない「未上場株式」があります。
上場株式の事を「公開株」、未上場株式の事を「未公開株」などと呼んだりもしますが、それぞれが意味しているものは「上場株式=公開株」「非上場株式=未公開株」と全く同じです。
株式を”上場する”ということと、”公開化する”というのは同じ状態の事を指していて、これを言い換えると、”誰でも売買ができる状態にする”ということを意味していることになります。
つまり、一般の投資家が売買する株式というのは、この「上場株式」、すなわち株式市場で取引が行われているもののことを指しているというわけです。
ではこの株式に投資をする場合には、どういった特徴を考慮しておく必要があるのでしょうか。
より詳しい解説についてはNO180で確認していただくとして、ここではイメージを掴んでいただくために、その特徴について簡単にご紹介しておきたいと思います。
株式投資の主な目的とその特性としては、
- 値上がり益を狙う
- 配当利回りを重視する
- 株主優待狙いの人もいる
- 出口戦略が最も重要
- 値動きが激しい(リスクが大きい)ものであるという認識が必要
- 普通株以外にも外国株式やオプション取引、信用取引や先物取引等の上級者向けのものもある
このような点が挙げられます。
多くの人のイメージでは、単純に「ある株式を購入し、それが値上がりすれば売却して利益が得られる。」というぐらいに捉えられている程度ではないかと思いますが、この株式投資にはその他にも様々な”特徴”、投資する上での”狙い”といったものが存在しています。
まず基本的には、株式投資というのは、初めのうちは総じて「ハイリスク・ハイリターン」のものであるという風に捉えておくことが大切です。
当然のことですが、20万円で買付けた株式が30万円に値上がりして売却すれば、10万円の利益を得る事ができる一方で、20万円で買付けた株式が気が付いた時には10万円まで下がってしまっていたということになれば、一瞬にして10万円の含み損を抱えてしまうことになるわけです。(単純化のため税金等考慮せず)
したがって、自分が資産運用を行っていこうとする資金のうち、最もリスクの取れる(と同時に大きなリターンを狙う)部分の資金を、この株式投資に配分すると考えておくべきなのです。
株式投資の世界というのは、言うまでもなく非常にシビアで厳しい世界です。
もし何かの運によって、一時的に利益が積み上がっていくような時期があったとしても、”継続的に”、”常に”利益を上げ続けるというのは、現実には”不可能”です。
そうです。”難しい”のではありません。”不可能”なのです。
このことは、”プロかアマか”に関係はありません。プロでも、利益を”常に”上げ続けることは不可能な世界なのです。(詳しくはNO283)
ですので最低限、「常日頃から経済情勢に対してアンテナを張っておくことのできる人」、「企業分析について知ろうという意欲のある人」、「マーケット動向についての分析や歴史の研究などに積極的に取り組んでいける人」、というようなタイプの人でなければ、株式投資で成功することは難しいと考えておいた方が賢明でしょう。
ただ、上記の特徴の中でも挙げましたが、昔から”短期売買目的”ではなく、”配当”や”優待”を重視した投資意向を持って株式を保有しているという一般投資家も一定数いることは確かです。
私個人的には、”配当利回り狙い”や”優待狙い”での株式投資というのはおすすめはしませんが、それが楽しみだという方や、結果論としてついでに狙えるものという考え方なのであればそれもアリかなとは思います。
さらに、株式投資を行うにあたっては、買付した株式の”保有期間”について、あらかじめ自分の中でしっかりとしたルールを定めておくということも非常に大切です。
株式投資で何が一番難しいかと言われれば、とにもかくにもその”売り時”です。
「いつ売るのか」という判断がどれだけ難しいか、株式投資を始めてみればすぐに解るかとは思いますが、予想に反して急に値上がりしたり、買付直後に大幅に値下げする展開になったりと、購入前のイメージ通りには事が進まないのが常である株式投資の世界において、その売り時を決断することこそが勝負の分かれ目となってきます。
これが「出口戦略が最も重要である」ということの真意です。
最後に、「株式投資をやってみたい。」という初心者に対して何か一つ最優先で知っておいてもらいたい事を挙げろと言われれば、それは間違いなく「もし株式投資を始めるのならば、その資金がゼロになっても良いと思える性格のお金の範囲内でスタートすべきである。」という事です。
意気揚々と株式投資に手を出してはみたものの、みるみる株価が下がっていくのを見るにつけ、やる気を失ってしまい、さらには売り時も解らなくなってその後の対応がうまく取れず、結局保有株式は”塩漬け”状態という人を私は何人も見てきています。
株式相場の動向に一喜一憂されることなく、明確な自分の投資方針を打ち出せるようになるまでには、それなりに時間もかかりますが、最初の内はそういった判断を行う事ははっきり言って不可能だと思いますので、まずは”授業料”という意味合いと、”自分の適性を測る”(自分が株式投資に向いているのかどうかを知る)ためにも、少額かつ無くなっても仕方がないと思える程度の拠出金で始められることをお勧めしておきたいと思います。
『株式投資』について詳しくは、以下の各記事も併せて参考にしてみてください。
債券
続いてご紹介するのが「債券」ですが、先にその特徴を挙げておくと、
- 満期まで持てば額面100で償還
- 発行体の安全性が重要
- 新発と既発がある
- 表面利率と利回りの違いに注意
- 外貨建て債券は為替にも注意
これらのものが挙げられます。
債券については、「国債」を例にとって考えてみると一番理解がし易いかと思いますので、それを前提に解説していきます。
「国債」というのは読んで字のごとく「”国”が発行した”債券”」、つまり国が国民にお金を借りる”借金”ということを意味しています。(よく「国民一人当たり〇〇万円の借金」などと言われますが、あれは完全な間違いです。)
債券では、それを発行する主体者のことを「発行体」と言いますが、それが”国”であれば「国債」、”会社”であれば「社債」という風に呼ばれます。
要は、特定の発行体が、誰かから資金を借り入れ、何らかの事業等の活動を行いたい、あるいは財務戦略を実行したいと考えた時、その借り入れた”証”として発行されるものがこの「債券」という事になるわけです。
債券の最も大きな特徴、それが「100で始まり、100で終わる。」というものです。
この”100”というのは「債券単価」のことを表していて、「新発」(新たに発行される債券)で出る債券は「単価:100」でスタートし、満期時にはまた”100”に戻るという性質を持っています。(発行から満期を迎えるまでの間は単価が変動します。)
つまり、投資家が「新発」の債券を購入した場合、それを満期まで保有していれば、その発行体が事業に行き詰まってしまったり倒産してしまうなどせず、きちんと平時の状態を維持し続けられていれば、自分が預けたお金はちゃんと戻ってくるということです。
さらに、当然ながら購入時に決められた条件による「利息」(=”クーポン”と呼ぶ)が利払い日ごとに支払われることになりますので、債券を保有している期間中はそれで利息収入が得られます。
逆に言うと、その発行体が万が一破綻してしまったり、債務不履行(借金を返せない状態、=”デフォルト”と言う)となってしまった場合などには、あなたが購入した元金が還ってこないというリスクもあるわけです。
したがって、債券を購入するにあたっては、「その債券を発行する発行体が本当に安全なのかどうか」ということについてまず見極めを行うということが必要となってきます。
債券のリスク(安全性)とリターンの関係としては、リスクの大きさに応じてリターンが決まってくるという原則から、発行体の安全性が高ければ表面利率は低くなります(条件が悪くなる)し、逆に発行体の安全性に不安が増すと利率は高くなります。
要は「元本割れのリスクが高くなるのであれば、その分利率を高く設定しておかないと、誰もその債券を購入してくれない。」ため、発行体のリスクとその表面利率の間にはこうした関係が成り立つということです。
この発行体の”安全性”について評価をし、投資家に向けて解り易く表してくれているのものが、「格付け」というものです。
債券が発行される際には、その発行体に対して必ずこの格付けが与えられています。投資家はこの格付けをもとに、その発行体がどの程度安全なのかということを判断することになるわけです。
この格付けを決めるのは、「格付会社」と呼ばれる専門機関になりますが、安全性が最も高いとされる”AAA”という評価から、AA、A、BBB、BBと順に下がっていく形で表されます。(格付け会社によって安全性を示す”AAA”などの表し方は異なります)
以上、ここまでにご紹介した債券投資についての基本的なポイントについてまとめると、
その債券の発行体について、満期までの安全性が高そうだと考えられれば、その債券の利回り等の発行条件を確認し、購入するべきかどうかを判断する。
という事になり、この部分さえしっかりと押さえておくことができていれば債券投資で失敗することはありません。
ただ、債券投資についてより詳しく検討していくということになれば、他にも様々な要素が出てきます。少しご紹介しておきましょう。
既に少し触れましたが、債券には「新発」と「既発」という2種類のものが存在します。
これは読んで字のごとくではありますが、「新発」とは新たに発行されるもの、「既発」とは既に市場に出回っているものを指す言い方になります。
一般投資家が「既発債」を購入するという機会はそう多くはないかとは思いますが、見定めるべきポイントは「新発債」と何ら変わりはありません。
既発債についも、その発行体の安全性はどうか、利回りは適正か、残存年数はどの程度かといった点を見て判断すればOKです。
ただし、この中で「利回り」に関してだけは、既発債に関しては前述の”100で始まり100で終わる”という法則が通用しないため、注意が必要です。(詳しくはNO250)
さらに、債券には「”外貨建”債券」というものも存在しています。
これもその名の通り、”外貨”で発行された債券のことで、ここで例とした国債など、円という通貨で発行された債券であれば「円建て債」、米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨で発行された債券ならば「外貨建て債」という風に、その発行通貨が何なのかによっても違いが出てきます。
外貨建て債券 (通称「外債(ガイサイ)」)を購入する場合には、当然その”通貨の違い”、つまり「為替」についても十分に考慮しておかなければなりません。
外債には新興国通貨で発行されているものなどもあり、そうした債券は利回りが非常に高く設定されているものが多い一方で、その分為替の値動きの激しさというリスクの部分も非常に大きくなる特性を持っているため、高い利回りにつられて購入したものの、為替差損が発生してしまう事で大きなマイナスとなってしまい、結果的に投資元本が毀損してしまうということもよくあります。
ただ、この”為替差損”については、最終的に円に両替した時点で確定することになりますので、為替が戻るまでは外貨のまま保有して待っていれば良いという考え方もできますが、購入時の為替水準に戻りそうもないような円高水準で長期間推移することも多々ありますので、その点は事前に十分検討しておくことが重要です。
なお、各債券の通貨というのは、その発行体の国籍等とは関係なく決定されることになりますので、特定の国の発行体であっても、都度その通貨は何なのかという点については確認はしておかなければなりません。
他にも、「オプション」などの複雑な「金融工学」の技術が組み込まれた債券、通称「仕組債」などと呼ばれるようなものも存在しますが、これも株式と同じようにここで詳細に解説してしまうとそれだけで話が非常に長くなってしまいますので、詳しくはNO288に譲りたいと思います。
投資信託
これも最近ではかなり”市民権を得てきている”と言っても過言ではない商品かとは思いますが、続いてご紹介するのが「投資信託」という商品です。
これは端的に言えば、上記でご紹介した「株式」や「債券」を”寄せ集め”て作った商品だと考えてもらえると解り易いかと思います。
この「投資信託 (通称「投信」)」には、日経新聞の「証券」欄に無数に並ぶ数字の羅列(1つ1つの数字が1つの投信の前日時点での基準価格(投信の価格)を表している)が示すように、そのテーマやコンセプトにあわせて非常に多くの商品があり、さらには高頻度で新商品が生み出され続けているということもあって、初心者には特に選択が難しい商品ではないかと思われます。
「投信」の主な特徴としては、
- プロに運用を任せられる
- 手数料に注意が必要
- 直接買えないものに投資ができる
- リスク分散が比較的容易
こういった点が挙げられます。
”信”じて、お金を”託”し、プロに”投資”してもらう、それが”投資信託”です。
つまり投資信託というのは、その商品設計や投資方針等に共感した一般投資家がそれぞれに拠出した資金を一か所に集め、その資金を運用会社が決めた投資方針に従って投資先へと振り向けていく形で運用するというものになります。
「自分ではよく解らない投資の世界で、自分のお金をプロに預けて投資してもらう。」そんな感覚で購入される方も多いのではないかと思います。
ただしこの点については、「SMA」と呼ばれる商品との違いも考えておかなければなりませんが、その点については後述します。
この投信で特に注意が必要なのが、その「手数料」です。
投信には、購入時の「販売手数料」と呼ばれる”イニシャルコスト”や、運用期間中の「信託報酬」と言われる”ランニングコスト”を含め、手数料体系が見えにくくなっているものも少なくなく、知らない間に多くの手数料を取られてしまっているといったことも十分に起こり得る商品設計となっていますので、購入に際してはあらかじめ確認をしておくことが大切です。
ここ最近では、「株式の売買手数料無料化」の流れに伴い、投信に係る手数料も無料化しようとする動きが活発化してきていますのでその動向にも注目したいところではありますが、勘違いしてはならないのは、手数料が安いからといってそうした”お得に見える”商品ばかり購入し、結果的にその商品の「基準価格(投信の価格。株価のようなもの)」の下落によって損失を出してしまっているようでは本末転倒だという事です。
つまり、投資信託を選ぶ際には、あくまでも「投資対象として魅力的な商品設計になっているか」、「自分の投資スタンスや相場見通しに則した銘柄構成になっているか」といった点を重視して商品選択を行っていくという姿勢が何よりも大切です。
また投信の特徴として、「直接買えないものに投資ができる」という点も挙げられるかと思います。
例えば、証券市場の仕組みが完全には整備されていない新興国の株式等に投資がしたいと考えた時、日本国内の株式に投資をする感覚ではその国の株式を買付けすることはできないものの、そうした証券を組み入れた投信であれば購入することができるといったこともあります。
したがって、「株式(や債券)を買いたいけれど、直接投資する術がない。」といった新興国市場に投資を行いたい場合などは、この投信を活用するというのが有効な手段の一つとして考えられるものになってきます。
さらに、投信は「リスク分散が比較的容易である」という特徴も併せ持っています。
これは各投信における”組み入れ比率”(その投信が何をどれだけ買付けしているか。運用レポート等で確認が可能)次第ではありますが、投信というのは基本的には、何かしらのテーマをもとに、それに関連した株式や債券に投資を行うといった設計となっており、複数の証券を保有する形となることから、自然とリスク分散効果が得られるという事が言えるのです。
ただし、一定のテーマに沿った組み入れとなっていることに変わりはありませんので、そのテーマ自体があまり芳しくないといった事態が起こってしまえば、その投信も値下がりしていくといったことになってしまいます。
分散投資が図れるとは言っても、買付けようとする投信については、そのテーマが自分でも期待が持てるものかどうかという点を基準に判断していくことが長期的に見ても非常に重要な視点であると言えるかと思います。
投資信託についてのさらに詳しい解説は、NO251をご覧いただければと思います。
為替取引
続いては「為替取引」です。
これは一部の方は既にご存知かもしれませんが、俗に「FX取引 (為替証拠金取引)」と呼ばているものになります。
一時、日本の主婦を中心とした女性やサラリーマン投資家の俗称として、国際金融市場において”ミセスワタナベ”という呼称が使われていたほどに、日本の小口投資家が注目されていた時期があったほど、日本国内でもブームが起きていたものです。
インターネット取引の普及などにより、手軽に始められるようになったことが最大の要因かと思われますが、現在は落ち着きをみせ、ブームに乗っての取引というよりも、腰を据えて為替と向き合う投資家が主流になっています。
この「為替取引」の主な特徴としては、
- 手軽に始められる
- ”上がる”か”下がる”かで解り易い
- レバレッジがかけられる
- 明確な判断基準はない
などが挙げられます。
この「FX取引」というのは、為替が”上がる”のか”下がる”のかを予想して投資を行っていくという、一見、単純明快な仕組みに見える取引であることから、非常に”とっつきやすい”ものであるかのように感じられ、”手軽なもの”と勘違いして人気に火が付いた部分も大きいのではないかと思われますが、この為替の動きこそ、実に様々な”目に見えない”要因によって決定づけられているという真実を知っておかなければなりません。
そしてさらに、株式や債券と大きく異なる点として押さえておくべきなのが、その流通市場における流動性は担保されてはいるものの(売りたい時に売れる)、裏付けとなる資産があるわけでもなく、絶対的な価値基準というものが存在しないという怖さがあるという点です。
この意味について、今は完全には理解できなくても構いませんが、要は株式や債券というのはその背後にそれを発行する発行体という存在があるために、保有財産の価値や事業としての価値といった裏付が存在する一方で、為替というのは誰かがその価値を担保しているというものではないという事です。
言うまでもありませんが、為替は通貨の売買であることから各通貨を発行する国がその価値について一定の基準で担保してくれているというような事はありませんし、仕組みとしては、あくまで市場で決定されるその時その時の「時価」によって売買が行われるというだけのものになります。(ここでは”貨幣”としての価値は置いておきます)
ただ、現実に主婦の方や投資初心者の方でも始めやすいという”手軽さ”や、2つの通貨間での値動きを予測するだけという”とっつきやすさ”を持っているという側面は否定できませんし、その”奥深さ”や”損得の解り易さ”といった面からも非常に魅力のある投資対象という事も言えるかとは思います。
実際にFX取引を始めるにあたっては、やはりこれも株式投資等と同じように、想定外の大きな損失を生んでしまうといった事にならないためにも注意すべき点や知っておくべき基本的なポイント等が存在しますので、その辺りについて関心がある方はNO291にて確認していただけたらと思います。
ただ1点だけ、この「FX取引」についてお伝えしておくとするならば、株式取引同様、「非常にリスクの高い取引である」という点は認識しておかなければならないかと思います。
為替について本当に真剣に勉強をしていくつもりであるとか、為替に関する情報を分析したりすることが苦にならないという人以外は、あまり気安く始めてしまう事はおすすめできません。
保険
最後にご紹介するのが、「保険」です。
保険と言うと、運用をするための金融商品というイメージからは少し遠いと感じられるかもしれませんが、実はその中にも運用商品としての性格を持ったものが存在しています。
”保険商品”と聞いてイメージされるものというのは、「医療保険」を筆頭に、「不動産」関連のものや「自動車」関連のものなどが一般的かと思います。しかし、「年金保険」などに代表される”資産運用”や”財産形成”に資する形で設計された商品も存在するのです。
主に証券会社や銀行にて取り扱われているこれらの運用商品としての保険というのは、立派な投資対象として捉えることができますので、これも金融商品の選択肢の1つとしてご紹介しておきたいと思います。
この運用商品としての保険の特徴としては、
- 利益を追求するというよりは”備える”という側面が強いものが多い
- 運用の自由度が低い
- 満期時の元本が確保されているものもある
- 節税対策として活用される商品もある
- 「儲けたい」という人には向かない商品設計のものも多い
- 流動性が低い場合がある
というようなポイントが挙げられるかと思います。
保険という名がついてはいるものの、証券会社や銀行で扱われる商品は、リスクを伴って運用をしていく形のものがほとんどで、その実は投信に似た様なものと考えるとより解り易いかと思います。
代表的な商品である「変額年金保険」であれば、一定期間特定の金融商品で運用を行い、設定された期間が経過した後に、それを保有する投資家があらかじめ選択しておいた形でその返戻金を受け取ることができ、それを年金代わりとして老後の生活に活かしたり、また税金対策として運用するといったものになります。
この年金保険には、その名の通り年金としてのカラーが強くなっていて、運用期間中は基本的に解約ができないような設計になっていたりするものも多く、必然的に手元流動性という点でのリスクも内包していますので、その点は注意が必要です。
また、2019年に一部銀行窓口等での販売で問題にもなった「外貨保険」など、一部投資家サイドから正しく認識がなされていないものもあったりしますので、各商品の商品設計やリスクの所在などについてはよくよく確認してから投資判断を行うということが非常に大切です。
金融に関する知識がほとんんどない初心者の方や、正しい判断を行う事が難しい高齢者の方などが、”保険”という一見イメージしやすいネーミングによって、その商品設計を勘違いしていまい、購入後になってはじめてその本当の姿に気づくといった問題も実際に発生してしまっていますし、それで損失を抱えてしまうといった事例も出ていますので、繰り返しになりますが、”保険”というイメージだけで捉えてしまうことのないよう、そのリスクについては十分に検討しておかなければなりません。
投資対象としての保険について詳しくは、NO293。
預金・MRF・MMF
次に、これは厳密にはいわゆる「金融商品」には入らないのですが、あえて資産運用の選択肢の中の一つとしてご紹介しておきたいというものがあります。
それが「預金」「MRF」「MMF」といった、”現金同等物”ともいうべきものです。
「預金」についてはもはや説明の余地もありません。銀行に預けておくことで利息が得られるという、誰もが利用している方法です。
そして他の2つ、「MRF」および「MMF」というのは、いわば「証券会社にある現金預かり状態の商品(厳密には公社債投信)」になります。
証券会社に預けておく資産のうち、今回ご紹介してきたような様々な金融商品で運用を行って”いない”資金については、このMRFやMMFに預けておくことでわずかな利息収入を得る事が可能です。
MRFやMMFというのは、格付けの高い(非常に安全な)公社債等で運用がなされており、そのリスクは限りなくゼロに近いものになりますので、ここに資金を入れておく事で現金が目減りしてしまうというような事態は想定しなくてもよくなります。
ではなぜこのMRFやMMFを運用の一つの選択肢としてご紹介するのか。
その答えは、「キャッシュポジションの重要性」について早いうちから認識を持っておいてもらいたいからです。
「資産運用を始めよう。」「証券投資について学ぼう。」と考えた時、多くの人が”何か金融商品を購入する”という前提に立ってしまいます。
それ自体は間違った事ではないのですが、大切なことは、あなたが投資を始めようとしたタイミングが、投資を開始するのに最適なタイミングであるとは限らないということです。
つまり、正しい考え方としては、勉強を始めた時点で何かの金融商品を購入するということを前提(ゴール)とするのではなく、最適な投資タイミングが来た時に良い形で投資を始められるよう、常に(資産運用・証券投資について)学んでおく、ということなのです。
投資について、また金融商品について少しずつ理解が進んでくると、人は「買いたい病」にかかってしまいます。
”思い立ったが吉日”とばかりに、何か買付けする商品を見つけること、そして何か買付けること自体をゴールとしてしまうのです。
繰り返しますが、それは”大きな間違い”です。
投資を始めるタイミングというのは、あなたが決めるのではありません。マーケットが決めるのです。
現実には、様々な投資戦略がある中で、上げ相場であろうが下げ相場であろうが、どのようなタイミングであろうとも高度な取引手法等を駆使しながら利益を確保していこうとするプロの投資家などが存在していることも事実です。
しかし、初心者に限って言えば、やはりそうした高度な投資戦略で運用に臨むということは不可能な事ですし、一朝一夕にたどり着けるような世界ではありません。
したがって、自分自身の投資戦略や投資方針、駆使できる取引手法など、投資能力としてのレベルを理解できて初めて実際に商品の買付を行うという順番を見失わないように気をつけましょう。
「急いては事を仕損じる」
初心者の段階では、そんな戒めを頭の片隅に置いておくということも非常に大切です。
ちなみに、「外貨」の場合に関しては、証券会社では「外貨預かり」としていわば”そのままの形”でその外貨を預けておく方法と、「外貨建MMF」という形で預けておく方法から選択することが可能です。
結論から言うと、”外貨はすぐに外貨建MMFに入れておくべき”なのですが、外貨建債券や外国株式を売買した際になどに、一時的に外貨預かりとなってしまう場合もありますので、そこは注意が必要です。「外貨は速やかに外貨建MMFへ」、これを徹底しましょう。
NISAについて
「NISA」については、「その言葉を聞いたことはある。」もしくは「調べたことがある。」という方もいるかとは思いますが、これは”金融商品”ではありません。
”少額投資非課税制度”と呼ばれる税制優遇制度になります。
これは投資初心者の方々に、資産運用・証券投資の世界に足を踏み入れてもらおうとする国の意向でつくられた制度です。
したがって、その中身は”税金の話”ということになりますので、ここでは詳しく解説はしません。
別途詳しく取り上げてお話したいとは思いますが、少額から運用を始める場合にはこれを活用することで、文字通り税制優遇が受けられることになりますので、知っていて損はありません。
詳細を知りたいという方はについてはNO296をご覧いただければと思います。
金融商品以外のもの
最後に、金融商品”以外”のものについても参考までに少しご紹介しておきたいと思います。
”資産運用”という意味合いからすれば、そのゴールは「資産を”増やす事”、そして”守る事”」という風に言う事ができるかと思いますので、幅広くその目的にかなうものについても見ておくことにしましょう。
コモディティ(商品)・金など
これは「半分”金融商品”で、半分そうでない」というような位置づけになるものですが、「コモディティ」や「金」などへの投資を通じて資産運用を図っていくという方法も考えられるかと思います。
”コモディティ”とは、一般に”商品”の事を指す言葉で、その対象としては「原油」「ガソリン」などのエネルギー関連、そして「金」「プラチナ」といった貴金属、「トウモロコシ」や「大豆」などの穀物といったものが挙げられます。
最も身近な商品投資というと、「金」という事になろうかと思いますが、この商品への投資に関しては、それを「金融商品」で代用することも可能です。
つまり、金・地金や原油、商品先物などに連動した「ETF」と呼ばれる投資信託を活用することで、実質的に商品価格に連動した運用成果を得るという事も可能となるのです。
金融危機などによって経済情勢が後退局面に入るような場面においては、現物資産、特に金に対する評価が高まり、その価格が上昇する傾向にあるというのがこれまでの通説でしたが、昨今の新興国、特に中国の急成長の影響等もあり(中国人は特に縁起物といった観点からも金そのものを好むと言われる)、経済情勢に関係なく非常に急激な値上がりを見せているというのが現状です。
現物の金を購入したり、あるいはETFを活用したりと、その手法は様々ですが、こうした商品類も活用しながら長期的なリターンを追求し、リスク分散効果を得ていくというのも非常に有効な手段である事に間違いはありません。
NO299
不動産投資
金融資産と並び、資産運用のための投資対象として捉えられるものの一つとして「不動産」が挙げられます。
”不動産投資”と聞くと、「そんなの金持ちの人たちがすることでしょ。」と捉えてしまう人も多いかもしれませんが、そんなことは全くありません。
結論から言うと、不動産投資というのは、金融商品による資産運用とは全くの”別物”という捉え方をすべきものになるのですが、あえて金融商品の中における近似商品を挙げるとするならば、「債券」が最も近しいと言えるかと思います。
債券投資というのは、前述の通り、「インカムゲイン」つまり「利息収入」を目的として保有をし、その利回りを追求していくという商品でした。
不動産も基本的な考え方はほとんど同じで、物凄く単純化して言えば、不動産を購入し、そこから得られる家賃収入がどの程度の利回りになるのかといった観点から投資戦略を立てていくことになるものです。
ただし、不動産の場合は、その購入段階から運用段階、そして維持管理に至るまで実に様々な要素が関わってくるものになりますし、より専門性の高い分野であることも事実です。
したがって、不動産投資に関心があるという方については、こちらNO44も併せてご覧いただき、これも”正しくその第一歩を踏み出せる”ようにしていただければと思います。
美術品・骨董品類
これは”おまけ”の話になりますが、美術品や骨とう品、その他芸術・アート作品等への投資というのも、長期的な値上がりという観点からは”運用”として考えられる側面もあるでしょう。
著名な画家の絵画作品や歴史的に名の売れた作家の骨とう品、現代アート作品からレアな工業製品まで、そのジャンルは非常に多岐にわたりますが、一部マニアの間で垂涎の的となっているような作品や、時代が変わっても受け継がれているような作品というのは、時に何百倍もの価値になることもありますので、本当に好きな方にとってはこれも”資産を創っていく”という意味において選択肢の一つになり得るかもしれません。
もちろんこの美術品や骨董品といった類の投資対象に関しては、当サイトでは専門的知識を持ち併せていませんので詳しくは言及できませんが、マネージャー個人としては、アートの世界というのは非常に関心の高いジャンルでもありますので、また改めてblog記事等で関連するお話をご紹介できればと思います。
初心者が買うべきもの
さて、ここまで資産運用における投資対象として考えられる金融商品の種類とそれぞれの特徴についてご紹介してきましたが、おおよそのイメージは持てるようになれましたでしょうか?
各金融商品について、なんとなくにでもイメージを持つことができるようになれば、次はいよいよ”どの商品が自分に最適なのか”という事を判断する段階へと入っていくことになります。
ただし、そうは言っても「まだよく解らない。」「自分で買うべき商品を判断するというのはまだまだハードルが高い。」というような方も少なからずいるのではないかと思います。
ですのでここからは、今回の記事の締めくくりとして、「で、結局初心者は何を買うべきなの?」という疑問に対するマネージャーとしての考えをお話しておきたいと思います。
ずばり、マネージャーがおすすめする”初心者が最初に買うべき金融商品”は、『株式』です。
理由は3つあります。
- 今後投資関連の知識を積み上げていくための”基礎”を構築できる
- 情報収集の訓練ができる
- 自分の向き不向きを判断できる
既に『株式』の章でお話した内容と若干重複する部分も出てきてしまいますが、最後にあらためてまとめておくことにしましょう。
まず、「株式投資」に関する知識が、その他の金融商品や証券投資に関する知識を習得していく上で非常に役に立つということです。
株価の動きやその背景にある経済事象の捉え方、分析の仕方といった知識や経験というものが自分の中に蓄積されていく事で、その他の金融商品を見る際にもその能力を発揮できるようになっていきます。
さらに、株価動向について検討する際に行う経済関連の情報収集において、その収集能力を磨いていく事で、資産運用にまつわる様々な情報を分析する力を高めていくことも期待できるようになります。
経済事象に係る難解そうなワードや解説記事を目にすると、はじめのうちはとっつきにくく感じる部分もあるかとは思いますが、株式投資の世界に身を置くことで、それらを徐々に理解できるようにもなり、徐々に抵抗感も薄れていく事で、様々な資産運用・証券投資に関する文献もスッと読みこなせるようになっていきます。
また、自分の”向き・不向き”について判断ができるようになるというメリットもあります。
今回ご紹介して来たように、金融商品というのは多種多様のものがある上に、個々人の投資方針や戦略、用いる手法等によっても様々な形が考えられます。
そのような”十人十色”、正解のない資産運用の世界において、あなたに合った運用方針・あなたの目指すべき方向性を見出していくために、株式投資というのは最適な手段だと言うことができるかと思います。
用いる戦略等にも左右されますが、「株式投資」というのは、時に非常に不安定な動きを見せることもあるマーケットと常に向き合う事が要求されるものです。
そんな”値動きのある資産”を保有するという行為が、自分の性分に合うのかどうか、一度株式投資を行ってみることで判別できるわけです。
株式投資を行ってみる事で、そこに魅力や可能性を感じるようであれば、「自分は中長期的に株式というものを組み入れた資産運用を行っていく事ができる。」と判断することができますし、「どうしても値動きに一喜一憂してしまって疲れる。」とか、「株価が気になって他の事が手につかない。」といった状態に陥ってしまうようならば、その他「債券」や「投信」といった”値動きの緩やかなもの”や”そもそも値動きを気にする必要のないもの”を中心とした運用方針を立てていく方が良いという判断をすることができるわけです。
もう一度言いますが、証券投資や資産運用のやり方というのは”十人十色”、人それぞれであり、そこに正解などありません。
結局のところ”資産運用”というのは、自らの資産を増やす・守るために、自分ができることは何なのかということを突き詰めていく事でもあり、そこには当然個人個人の向き・不向きや能力の差というものも出て来ます。
「何があっても1円足りとも損失を出すようなリスクは負いたくない。」という感覚が強い方であれば、「国債」を買うか、全ての資産を現金で抱え込んでおくかしか方法はありませんし、大きなリターンを求めていくということになれば、その分大きなリスクを許容せざるを得ないわけです。
ここで大切な事は、”リスク量を常に自らのコントロール下に置いておく”ということです。
資産運用・証券投資において、”ハイリスク・ハイリターン”、”ローリスク・ローリターン”は基本中の基本です。
そうしたリスク許容度に関して、自分の感覚を知る、つまりは自分の向き・不向きを確かめるという点においても、初心者が株式投資に挑戦するということは非常に有意義だということです。
最後に、資産運用の初心者が、その第一歩を正しく踏み出す方法についてまとめると、
- 自分の中で最大限リスクが取れる資金で「株式」を始める
- 株式投資を行うことで「投資関連知識の基礎を構築していく」「情報収集の仕方を体得する」「自分の向き・不向きを見極める」
このようになります。
最初は解らないことだらけで、頭の中が「???」という状態が当分続くことになるかもしれません。
しかし、それは誰しもが通る道であり、資産運用を成功させたいのであれば、避けては通れない道でもあります。
当サイトの記事も参考にしていただきつつ、あなたが資産運用を成功させ、自分らしい人生を謳歌できるようになることを心より祈念しています。
【参考】『資産運用』とは|その心得から始め方まで失敗しないための方法【初心者編】
まとめ
今回の記事は以上になります。お疲れさまでした。
既に知っている内容がほとんどだったという方から、初めてのことだらけで頭がついていかないという方まで様々かとは思いますが、資産運用の対象となる金融資産について把握するという意味においては、今回ご紹介した内容をしっかりと押さえておく事さえできれば、その基礎は大丈夫と言って良いかと思います。
金融の世界、証券投資の世界にはまだまだ”ディープ”な世界が広がっていますので、今回ご紹介した基礎を踏まえ、皆さんには是非そちらにもいずれ足を踏み入れてもらえると嬉しく思います。
資産運用は一朝一夕にはできません。
その歩みを一歩ずつ着実に進めていくためにも、基礎固めを大切に行っていってもらいたいと思います。
そして是非、そのために当サイト【マネージャー】を活用していただけると幸いです。
あなたが、資産運用の勝ち組となられることを信じて。
それでは。